ブロー成形

Blow molding

ブロー成形とは

ブロー成形は中空構造製品の大量生産に適した成形手法です。ブロー成形の手法では、押出ブロー成形(ダイレクトブロー成形)と射出ブロー成形(射出延伸)の2種類が挙げられます。当社では、押出ブロー成形にて製品製造を行っています。

  • サイプラのブロー成形

    サイプラのブロー成形

    押出ブロー成形 / ホットパリソン法
    対応材質 PP、PE、PET etc.
    対応ロット ~1万個程度
    成形サイズ 5cc~300cc

  • 立ち上げ時の肉厚センサー値と押出ヘッドモニタリングで条件再現性を高めます。
  • 押出ブローと射出成形・印刷工程を同一棟で管理し、工程間のリードタイムを最適化します。

ブロー成形の主な製作事例

  • ボトル
  • チューブ
  • スポイト

サイプラでは、医療・医薬関係、化粧品関係、トイレタリー関係、食品関係などの業界をはじめ主にスポイトやボトル、チューブの製作実績があります。

ブロー成形の種類と特徴

押出ブロー・射出ブロー・延伸ブローの比較イメージ

用途・外観・数量により最適な方式は異なります。当社の量産対応は押出ブローです。押出ブローは形状自由度とコストバランスに優れ、パリソン制御による偏肉対策が可能です。射出ブローは口元精度・外観性に強く、延伸ブローは透明性・機械特性に優れます。設計段階から方式選定を支援し、量産条件の確立まで伴走します。

  • 押出ブロー:自由度・量産適性・コストのバランスが良好(当社主軸)
  • 射出ブロー:口元精度・外観性に優位
  • 延伸ブロー:透明性・強度に優位(PET容器など)

材料別の適用例(PE・PP・PETなど)

材料は内容物・保存性・外観要求・コストで選定します。代表的な性質と用途の目安は以下の通りです。

代表材料の比較
材料 主な特長 用途例
PE 耐薬品性・耐衝撃性・成形性に優れる タンク/パイプ/一般容器
PP 耐熱・剛性・軽量化に適する 化粧品容器/医療用/キャップ
PET 透明性・外観性・バリア性に優れる クリアボトル/内容確認が必要な容器
EVOH(多層) 高ガスバリアを多層化で付与 食品・薬液の保存性向上

成形不良と対策

代表的不良は偏肉・ピンホール・白化・寸法ばらつき・ひずみ等です。パリソン制御、冷却設計、成形条件の最適化、金型メンテナンスによって安定化を図ります。リーク・外観・寸法の検査体制で量産品質を担保し、初期流動から再現性を確認します。

  • 偏肉:口金・ダイギャップ/引き延ばし条件を最適化
  • ピンホール:樹脂乾燥・異物対策・冷却見直し
  • 白化:温度・伸長バランスの再設定
  • 寸法ばらつき:サイクル安定化・金型温調
  • ひずみ:肉厚配分・冷却経路の最適化

リーク検査機・画像検査・寸法検査の結果はロットごとのトレーサビリティシートで管理し、条件変更や再発防止に活かしています。

金型設計・試作のポイント

ネック部・リブ/ボスの抜き勾配や肉厚配分、パリソン制御と冷却設計が量産品質の鍵です。試作段階で想定LOT・材質・要求性能(耐薬品・落下・密封性)を共有いただくと、金型仕様・条件表・リードタイムを最適化できます。サンプル評価→条件確立→量産移管まで一貫で支援します。

  • 見積時に必要:図面/3D・材質・LOT・要求公差/試験
  • 二次加工:印刷・検査の内製連携
  • 付属品:射出成形によるキャップ等の一体提案が可能
  • 射出成形キャップの内製

    射出成形キャップとの一貫生産

    当社では、ブロー成形だけではなく射出成形によるキャップ・ヒンジキャップを内製しています。容器からキャップまで一貫生産することで、密封性・操作性の検証を短サイクルで回し、充填ラインへの適合を高めています。

    射出成形
  • 印刷工程の内製化

    印刷・二次加工の社内完結

    シルク印刷・インクジェット・パッド・ホットスタンプなどの印刷設備を社内に備え、φ13mm~φ25mmのチューブ印刷など大量ロットにも対応。高速カットラインや検査ラインと連携し、成形後の加飾・仕上げを一貫管理しています。

    印刷・加飾
  • 高速カットラインの社内構築

    高速カットラインと検査ラインの連携

    アルミチューブのポリ内筒の高速カットラインを社内に構築し、専用カット機3台で月産約150万本の処理能力を確保。クリーンな環境で加工と検査を行い、他のミニチューブにも対応できるラインで多様なニーズに応えています。

よくある質問(Q&A)

押出ブロー中心の量産体制についてよく頂く質問をまとめました。方式の使い分けや肉厚管理、試作体制、材料選定、射出成形キャップ・印刷との一貫対応まで、発注前に確認されるポイントを簡潔に整理しています。5cc〜300cc・〜1万個のレンジで迷いやすい点をQ&A形式でご紹介します。自社で押出ブロー製造を行う強みとともに、品質保証や設備情報への導線も記載しています。初回打合せ時に確認したい仕様や検査条件の整理にもお役立てください。

現在、ブロー成形に関するよくある質問は準備中です。